エクソダス 神と王

エクソダス 神と王  Exodus Gods and Kings

 

昨年インターステラーを見たときに予告を見てからいちばん楽しみにしていたやつ。原作はもちろん世界的ベストセラーの『聖書』です。エクソダスとは旧約聖書の「出エジプト記」のことですね。

 

どうせそのうちちゃんと読もうと思っていたので、この機会に買いました。日本語でも英語でも、聖書の訳にはいろんなバージョンがあって困りました。いろいろ調べると英語版のRSV(改訂標準訳聖書)というのが良さそうだったのでそれにしました。せっかくなのでなぜエジプトなのか、創世記のあらすじを紹介します。

 

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『創世記』 Genesis ジェネシス

神は6日間で世界を作り7日目は休む。自分の姿に似せて作ったのがアダムとイヴ。食べてはいけない木の実を食べてエデンの園から追放される二人(失楽園)。

 

カインとアベルという二人の息子が生まれる。兄カインは弟アベルに嫉妬し殺してしまう(人類初の殺人)。二人の弟セトの子孫ノアの時代、悪に染まった人が増えすぎたことを憂いた神は洪水を起こすことにして、ノアに方舟を作ることを命じる。ノアは家族と全ての動物のつがい1組ずつを方舟に載せ、神は40日40夜続く洪水を起こす。

 

ここでマディ・ウォーターズのフォーティ・デイズ・アンド・フォーティ・ナイツの語源を初めて知ってとても興奮しました。恋する40DAYSという映画の原題も同じらしいですよ。キリスト教圏の人たちはこの言葉を見るとノアの洪水のことを思い出すんでしょうね。日本人が「蜘蛛の糸」と聞いて救いの糸のことを思い浮かべるみたいに。

 

僕はこういうことこそが教養なのだと思っています。いろいろなもののルーツを知っていることが。音楽・絵画・小説・映画、何でもより楽しくなる。

 

洪水のあと、神はもう二度とこんなことしないと約束。その約束の証が虹。虹を見たらこの契約のこと思い出してねつって。ツンデレかよ。次に出てくるのがバベルの塔。人々は天まで届くほどの塔を作ろうとしてまた神の怒りを買う。それまで一つの民族で、一つの言語を話していた人々を神はバラバラにしてしまう。

 

そして最重要人物、アブラム(アブラハム)登場。アブラムは神の啓示を受け、妻サライらと共に約束の地カナンを目指す。神の口癖「お前たちにこの土地を与え、空の星のように、地の塵のように、数えきれないぐらい子孫を増やしてやろう」

 

神と契約したときアブラムはアブラハムに、サライはサラに改名。契約の証として全ての男子は生まれて8日目に割礼をすることに。最近イスラム国が流行っていますが、ユダヤ教キリスト教イスラム教も、信じているのはこのアブラハムの神ヤハウェです。後からやって来るキリストもムハンマドも、この神に啓示を受けたと主張するわけです。

 

悪の街として栄えていたソドムとゴモラに怒った神は、火によって二つの街を滅ぼす。天使がやってきてアブラハムの甥ロトとその妻と娘の2人だけは逃がす。後ろを振り返らないようにと言われていたが、妻は振り返ってしまい、塩柱になる。

 

不妊だったサラは奴隷のハガルをアブラハムに与え、イシュマエルが生まれる。ハガルはサラに優越感を持つようになり、怒ったサラはハガルたちを追放させる(イシュマエルはアラブ人の祖先だと言われている)。

 

神は90歳のサラ(アブラハムは100歳!)に、子どもができるのでイサク(「彼は笑う」の意)と名づけよと言う。イサクが生まれたあと、神はアブラハムの信仰を試そうとして、生け贄として捧げるように命じる。殺そうとした瞬間、天使が呼びかけて止める。

 

イサクの子がエサウとヤコブという双子。生まれてきたとき、兄のかかとを掴んでいたので弟はヤコブ(=かかと)と名付けられます。かかとをつかむというのは卑怯という意味で、その通り兄を出し抜いて家を継ぐ権利を得、父を騙して本当は兄エサウにするはずの祝福を横取り。兄に命を狙われたヤコブは叔父のところに落ち延び、財産を築く。

 

しばらくして兄と和解しようと故郷に戻る途中、ヤコブは天使に襲われて夜明けまで格闘して勝つ。天「行かせてください、夜が明けます」ヤ「いいえ、祝福してくれなければ離しません」天「お名前は?」ヤ「ヤコブ」天「あなたはもはやヤコブではなく、イスラエル(神と格闘する者)です。神と戦って、勝ったのだから」ヤ「祈るので、あなたの名を教えてください」天「なぜ名前を聞くのですか?」そして天使はヤコブを祝福する。

 

その後イスラエルは兄エサウと和解し、12人の息子と1人の娘をもうける。その息子の一人が11男のヨセフ。彼は兄たちが自分にひれ伏す夢を見てそれを語ったので、嫉妬した兄たちに落とし穴に落とされ、商人に売られてしまう。エジプトに売られた彼は、夢占いができるので王に気に入られ出世。

 

ファラオの夢から、7年間の豊作のあと7年間の飢饉がやってくると知った彼は、食料を貯蔵して飢饉に備える。本当に飢饉になり、エジプト以外からも食料を求めて人々が殺到。ある日、彼を売った兄弟たちがやってくる。2回目に兄たちが来たとき、ヨセフは出自を明かして泣く。父と兄たちはエジプトに移住する。

 

と、ここまでが創世記の内容です。wikipediaをコピペした方が完全に早かったなこれは笑 ここまで書くのに3日かかってるからな。その後エジプトのファラオがヨセフたちヘブライ人のことを知らない人に代わり、それから約430年のあいだ彼らは奴隷になります。そこに現れたのがモーゼです。彼はヘブライ人たちを再びカナンの地へ導きます。それを描いたのが『出エジプト記』。

 

やっと映画のレビューが書ける。IMAX3Dデビュー。はっきり言いますが、映像以外クソでした。上映禁止の国があるのがうなずける。キリスト教以前の話なのにキリスト教的価値観が入ってきているし、モーゼや奴隷たちの設定もめちゃくちゃで。エンターテイメントのためにはしかたのないことなのかもしれんけど、やりすぎ。役者は良かった。

 

オススメ度 ★★★☆☆(映像のみ)

 

モーゼで思い出したことがあります。数年前、新宿伊勢丹の地下で安室ちゃんを見ました。普通に友達と二人で買い物していた。オーラが凄すぎて誰も話しかけないし、海が割れるように道が開きました。あれこそがまさにモーゼ状態。

 

あと一つ、去年読んだ本でいちばん気に入ったフレーズを。

「神は6日間で世界を作り、そして7日目は、二日酔いを…」

ロバート・キャパ『ちょっとピンぼけ』

 

“God created the world in six days, and on the seventh, the hangover...”

Robert Capa "Slightly Out of Focus" 

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The Holy Bible: Revised Standard Version, Catholic Edition, Revised Standard Version

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Slightly Out of Focus (Modern Library War)

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ちょっとピンぼけ (文春文庫)

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