『毎晩が土曜日』 ボビー・キーズ自伝
Every Night’s A Saturday Night – Bobby Keys, with Bill Ditenhafer
前書き キース・リチャーズ Foreword by Keith Richards
昨年12月に亡くなったロックンロールサックスマン、ボビー・キーズの自伝。この一ヶ月半少しずつ読んでやっと読み終わりました。邦訳は出てないので原書で。タイトルはテキサスのことわざ「毎晩が土曜日、毎日が日曜日」から取られています。
テキサス州のスラトンという小さな町で生まれ育ってサックスを始め、バディ・ホリー&ザ・クリケッツやボビー・ヴィーと出会い、デラニー・アンド・ボニー&フレンズ(エリック・クラプトン!)やジョー・コッカーとツアーを回り、ジョン・レノンやジョージ・ハリスンのソロアルバムにも参加し、ついにはローリング・ストーンズのサポートミュージシャンにまでなった彼。おもしろいエピソード満載の一冊でした。
彼は間違いなくロックにおけるサックスというものを確立した人の一人です。それまでサックスというのは主にソロ楽器だったのですが、彼はシカゴブルースのハーモニカをサックスでやろうとしました。例えばこんな風に。この曲の歌詞についてもいつか書きたいな。
The Rolling Stones – Brown Sugar
ミック・ジャガーはオーティス・レディングにハマっていたのでホーンを入れたかったそうです。スタックス・レコードのメンフィス・ホーンズはトランペットとテナーサックスとバリトンサックスの3本。ところがボビーとトランペットのジム・プライスはそれを2本でやろうとしました。今までホーンのヴォイシングなんて気にしたことなかったけど、2本で3本と同じ厚みを出そうとしていたんですね。
Otis Redding - I’ve Been Loving You Too Long
The Rolling Stones - I Got The Blues
話はそれるけどこういう音楽を日本語でやろうとしたのが忌野清志郎。これももろオーティス・レディングのバラードですね。曲はスタンド・バイ・ミーっぽいけどね。ついでに聴いときますか。
RCサクセション - スローバラード
フランス女とシャンパン風呂事件、ホテルの窓からテレビ投げ捨て事件の真相、キースとの友情や思い出も、もちろん書いてあります。1970年代までの出来事に本のほとんどが費やされていて、やっぱりみんな20代までが一番楽しいし鮮明なのだと思いました。
ロックミュージシャンの自伝はだいたい話し言葉みたいに書いてあるし、筋も同じなので読むのは楽です。水戸黄門みたいな。でもみんな本当に音楽が大好きで、音楽だけには真摯なんですよ。彼らが自伝で伝えたいことはいつも一つです。いいですか?
ヘロインダメゼッタイ
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