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ターナー 光に愛を求めて

ターナー 光に愛を求めて  Mr. Turner

 

19世紀に活躍した画家、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの伝記映画。彼が生きていた時代は、ほぼ江戸の最後の80年と重なる。初めてターナーのことを知ったのは、夏目漱石を読んでいたときのことだ。

 

ターナー印象派を百年も前に先取りしていた。写実的な絵画を見て「何だこれは!」と笑っていた。嵐を描写するのにマストに自分を数時間縛りつけた。泣きながら娼婦を描いた。カメラ・オブスクラが発明されて、それに多大な興味を持ち、芸術家はそのうちノートの代わりにカメラを持ち歩くだろうと予言した。その通り、現代では携帯電話にさえカメラがついている。

 

途中音楽の話も少し出てきた。蓄音機が出現する前の生楽器・生演奏の価値は、今とは比べ物にならなかっただろう。僕はそれを見て、この世からレコードとCDとmp3が消えてなくなってもかまわないなと思った。

 

芸術家はやっぱり自分に正直だよ。自分に正直に生きていない奴は芸術家じゃないとも言える。たとえ誰かを傷つけたとしても。時代劇ふうな映画で、英語も古かったのが良かった。

 

海と太陽を書き続けた彼の最期の言葉は、「太陽は神だ」だった。”The sun is God” 現代にはそんなことを言って死ねるやつはいない。言ったとしてもバカにされるのがオチだ。イギリスに行ってターナーをたくさん見たいな。

 

★★★☆☆